スーツの規定違反とは?失格になった各国の反応は?

北京オリンピックのスキージャンプにおいて「スーツの規定違反」により高梨沙羅さんが失格となり話題になっています。

「そんなことがあるのか」と納得いかない意見が多く見受けられます。

今回の異常事態と言われる「スーツの規定違反」とはどういうことか、各国の反応を調べてみました!





高梨沙羅が「スーツの規定違反」で失格に!

2022年2月7日、スキージャンプ「混合団体」に出場した高梨沙羅さんが「スーツの規定違反」で失格となりました。

高梨沙羅さん以外に、3ヶ国4名の選手が同じく「スーツの規定違反」で失格となり、異常な事態に!

元々あるルールですが、オリンピックという場での処分に、普段はジャンプ競技を見ていない方もかなりの関心事となっています!





高梨沙羅が失格になった「スーツの規定違反」とは?

失格になった経緯

高梨沙羅さんは、2022年2月7日に行われたスキージャンプの新種目「混合団体」に出場しました。

「混合団体」は男女2人ずつで1チームとなり、ノーマルヒルで金メダルの小林陵侑さんも出場していましたね!

一人目に飛んだ高梨沙羅さんは、100mを超えるいきなりの大ジャンプ!

ですが、飛び終えた後に「スーツの規定違反」でまさかの失格!

高梨沙羅さんは、その後のインタビューで、泣きながら「申し訳ございません」とうなだれていました。

「スーツの規定違反」とは?

ジャンプのスーツは大きさにより空気抵抗が変わる為、飛距離に影響します。

スーツが体にピッタリするより、大きめの方が、空気抵抗が増えて有利になるんです。

その為国際スキー連盟は、様々な規定を設けています。

スーツと体のサイズが合っていないと「スーツ規定違反」とし失格となってしまいます。

ジャンプスーツはすべての箇所で選手のボディーにぴったり合うもののでなければならない。

直立姿勢でスーツ寸法はボディー寸法と一致しなければならず、最大許容差はスーツのあら
ゆる部分においてボディーに対し 最低 1cm、最大 3cm(女子スーツは最低 2cm、最大 4cm)
とする。ただし、ブーツ周辺部分は例外とする:ジャンプスーツは、ブーツ周辺寸法より最大
10cm 大きくすることができ(ヒザより下)、ブーツを覆わなければならない。

引用:公益財団法人全日本スキー連盟

スーツの検査のやり方

選手はスーツを着用したまま、直立した状態で計測されます。

測定される側と測定する側の2人のみで行われているとのこと。

数センチ判断しなければいけない緊張感のあることだけれど、数センチは測り方で誤差もありえそうですね!





「スーツの規定違反」は高梨沙羅の他に4人の異常事態!

今回のスキージャンプ「混合団体」で高梨沙羅と同じように「スーツの規定違反」で失格となった選手は、他に4人います。

失格になった各国の反応は?

北京オリンピック個人戦の銀メダリスト・ドイツのカタリナ・アルトハウス選手も失格になりました。

 

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アルトハウス選手はインスタで、「競技歴11年で失格経験ゼロです、こんな重要な大会でなぜ?理解できない」と投稿しました。

また、「FIS(国際スキー連盟)は今回の措置で女子スキージャンプを破壊した」と厳しく批判もしています。

ドイツの監督で、自身も五輪3大会に出場したシュテファン・ホルンガッハー監督は「私にしてみれば、パペットシアター(操られた舞台)のようだ」と強く非難したと、ロイター通信が報じた。

引用:日刊スポーツ

ドイツのホルンガッハー監督も「ありえないくらい頭にきている。とても理解できないことだ。」と嘆いています。

オーストリアのダニエラ・イラシュコ・シュトルツ選手とアンナオーディエン・ストロム選手も失格になりました。

オーストリアのマリオ・ステケルト・コーチは「これは茶番だ」と憤慨したとドイツ・ビルト紙が伝えた。

引用:日刊スポーツ

そしてもう一人、ノルウェーのシリエ・オプ選手も失格になってしまいました。

ノルウェーのブレード・ブラテン・コーチは同メディアに「本当に言葉を失った。選手たちにとってはとても辛いことだ。新しい種目を導入して、もう一つの種目に出場できたのにことにこんなことになってしまった。そして、なぜ女子だけが失格になったのか。残念ながら、私たちのスポーツにとって悲しい日となった」と話し、FISに対して説明を求める抗議行動を起こすことを明らかにした。

引用:Yahooニュース

今回「スーツの規定違反」で失格になったのは、ドイツ・オーストリア・ノルウェーそして日本の4ヶ国です。

「スーツの規定違反」は、度々あることですが、今回の北京オリンピックのように1度に5人も失格になるのは異常事態!





日本の対応は?

試合直後のインタビューで鷲澤コーチは「チームサイドが用意したもので、高梨選手は安心して着ていた。チームが悪く、高梨選手は悪くない。」と話していました。

チームは、高梨選手が悪くないと擁護していますが、失格を認めているようでした。

そのチームの考えに、反感を持った方は多かったようです!

高梨沙羅さんや他の選手が測り方がいつもと違ったと証言!

ノルウェーの選手や監督は、測定方法がいつもと違ったと発言しています!

ノルウェー代表のブラーテン監督は、通常の測定では選手は腕を体から30センチほど横に向けて伸ばして待つが、団体混合の当日は腕を頭の上に置いたままだったとノルウェー紙「VG」で反論した。また、通常は検査を1人で行うが、この時はなぜか3人だったという。

引用:東スポWeb

高梨沙羅さんも、いつもと違う測り方だった為、測り直しを求めたようです!

高梨沙羅さんの証言があったからか、世間の納得いかない感情も影響したのでしょうか。

2月10日に、日本代表選手団の斉藤智治監督が検査のあり方についての文書をFISに提出する考えを明らかにしました。

北京オリンピック日本代表選手団の斉藤智治スキー監督は10日、ノルディックスキー・ジャンプ混合団体で高梨沙羅(クラレ)がスーツ規定違反で失格したことを巡り、検査のあり方についての文書を国際スキー連盟(FIS)に提出する考えを明らかにした。

引用:Yahooニュース

日本だけではなく、スキー大国ドイツも動き出したようです。

ドイツスキー協会(DSV)も失格裁定の見直しを要求する方針を決定。他の〝被害国〟も追随してジャンプ界が分裂する可能性も出てきた。

今回の大騒動を引き起こした〝元凶〟とも言われるフィンランド人検査官のミカ・ユッカラ氏に厳しい〝処分〟が下される可能性が出てきた。

引用:東スポWeb

スーツのサイズが飛距離に大きく影響するジャンプ競技では、厳しい規定は必要なんでしょうが、滑る前に違反のチェックをし、適正なウェアに変更するなどできないのでしょうか。

この「スーツの規定違反」については、今後何かしらの進展がありあそうなので注目していきたいと思います!