何度も見返しているドラマはありますか。私はたくさんあります。泣きたい時に見るドラマ、笑いたい時に見るドラマなど、シチュエーションに合わせて決まっています。
今回は、夏になると見返したくなるドラマ、3選をご紹介します。
ビーチボーイズ
1997年の夏、フジテレビ系「月9」枠で放送されていた「ビーチボーイズ」。反町隆史と竹野内豊のW主演で、男の友情が描かれている「月9」は異例でした。
特に何かが起きるわけではなく、ゆっくりと時間が流れる夏の海の出来事が、とても優しく描かれています。
脚本は岡田恵和。私はこの方の作品が好きです。全て見ているわけではないですが、登場人物もストーリーも、優しくて温かく感じます。
ストーリー
同棲し、ヒモ生活をしていたけど、彼女に追い出されてしっまた広海(反町隆史)と、仕事でミスをし、プロジェクトから外されてしまったエリート商社マンの海都(竹野内豊)が、偶然出会い、海辺の民宿「ダイヤモンドヘッド」でひと夏を過ごす。
ダイヤモンドヘッドの社長(マイク真木)、孫娘の真琴(広末涼子)、近所のスナックのママ(稲森いずみ)などと出会い、人生を見つめなおし、友情を深めていく。
ビーチボーイズの見どころ
夏のキラキラした海と青い空、その風景にピッタリな音楽、優しくて温かい登場人物達、穏やかな気持ちで見ていられるストーリーに、私は魅了されました。
私もこの町の一員になりたい、ここで暮らしたいと思いながら見ていました。
この町なりの事件は起きますが、ドラマ視聴者がハラハラドキドキするような大事件は起きません。そのことによって、面白くないと感じる方もいると思いますが、私は逆で、このゆっくりと時間が流れる空気感が心地よく感じました。
私が若かったら、イケメンお兄さんと同じ屋根の下で暮らす広末涼子の立場に憧れたのは間違いないですが、このドラマをリアルタイムで見た時は、27歳だったので、素敵な大人の女性、稲森いずみに憧れました。
広末涼子演じる真琴を温かく見守るお母さんのようであり、時には女性の素敵さを教えるお姉さんでありながら、真琴と一緒にはしゃぐ無邪気な面もあり、とても魅力的な女性でした。海と太陽に映えるファッションも素敵でした。
登場人物それぞれが魅力的で、その生き方や考え方に、人生の参考書と思えるシーンがいくつもありました。
当時、このドラマにはまりすぎた私は、ロケ地となった千葉県館山市へ行きました。時遅く、民宿ダイヤモンドヘッドは、すでに解体されていましたが、その周辺の景色に感動し、ビーチボーイズの世界にたっぷり浸ることができました。
Dr.コトー診療所
同名の漫画が原作の「Dr.コトー診療所」は、2003年の夏、こちらもフジテレビ系、木曜劇場で放送されました。
離島の医療問題、都会から来た医師と島民の交流、家族愛や命の尊さが描かれています。2004年には特別編、2006年には、続編も放送されました。
沖縄県八重山列島にあるとされる架空の志木那島が舞台。ロケ地となった与那国島の景色が素晴らしく、いつか絶対行ってみたいと思いながら見ていました。
ストーリ
東京の大学病院で優秀な外科医として勤務していた五島健助(吉岡秀隆)。五島は、ある事がきっかけで、医師のいない志木那島へ赴任する。
役場の民生課長・星野(小林薫)以外の島民からは、なかなか受け入れてもらえない。これまでに赴任してきた医者が、やってきてはすぐに去って行くので信用されていなかった、五島も同じように思われた。
最初の患者となった少年・剛洋(富岡涼)を助けたことで、五島の医師としての技量、誠実な人柄が、徐々に島民に受け入れられる。
星野の娘で診療所の看護師・彩佳(柴咲コウ)と、診療所事務長の和田(筧利夫)と共に、島民から信頼される診療所になるが、五島が東京を離れるきっかけとなった医療事故の関係者が、志木那島にやってくる。
Dr.コトー診療所の見どころ
こんなお医者さんが身近にいたらいいのになぁ、そう思いながら見ていると、自分が志木那島の島民になった気分でドラマにのめり込んでいました。
吉岡秀隆演じるコトー先生は、優秀な技量を持った医師であり、たくさんの命を救います。でも、コトー先生の魅力は、患者の病気だけでなく、患者の生活全てをみて、最善を尽くしてくれるところ。
優しく穏やかな語り口調は、不安な気持ちを安らげてくれます。「コトー先生が言うなら」と厚い信頼を寄せる島民の気持ちに共感できます。
これまでの経験から、島民達は、僻地に追いやられたろくでもない医者と思っていたのが、徐々に信頼関係ができていく、それが、このドラマの1番の見どころなのかなと思います。
そんなコトー先生の魅力が、ロケ地となった与那国島の素晴らしい景色と、その空気感にピッタリなBGMで、最高のドラマとなっています。
また、コトー先生以外の登場人物も、温かみのある田舎の良い部分がいっぱい詰まった人達です。
ちゅらさん
「ちゅらさん」は、NHKの朝ドラで、2001年上期に放送されました。朝ドラ史上初の、沖縄を舞台の中心としたストーリーです。
人気作となった為、その後、パート2.3.4まで続編ができました。脚本は、ビーチボーイズと同じ岡田恵和。
ストーリー
八重山諸島小浜島で育った古波蔵恵里(国仲涼子)は、純粋でおおらかでまっすぐな女の子です。子供の時に出会った、上村文也(小橋賢児)のことを思い続け、やがて結婚します。
古波蔵家の優しく温かい家族の面々、東京で出会う、とても個性的な「一風館」の住人達、看護師となって働く職場の仲間など、魅力的で素敵なキャラクター達と織りなす、笑いあり、涙あり、恋バナありの、ほっこりするお話です。
ちゅらさんの見どころ
悪意を持った悪い人が出てこないので、ほのぼのした気持ちで見ることができます。大笑いする面白さではないですが、クスッと心が解れて、温かい優しい気持ちになれるドラマです。
人の優しさや、命の尊さが、よく描かれているとおもいます。
ちゅらさんの登場人物達は、みんな個性的で魅力がありますが、なかでも私のお気に入りは、ヒロイン恵里の祖母、古波蔵ハナ(平良とみ)、愛称「おばぁ」です。
おばぁの言葉は、胸にささります。おばぁの語り口調は、一言一言に重みを感じ、パワーをもらえるような気がします。背中を押してくれる、勇気が湧いてくる、そんなシーンが数々ありました。
もう一人、私を惹きつけたのは、恵里の弟、恵達(山田孝之)です。古波蔵家の面々は、恵里におばぁ、恵里の父恵文(堺正章)、母勝子(田中好子)、兄恵尚(ガレッジセールゴリ)、みんな陽気でお気楽ですが、そんな中、恵達は、現実的で冷静です。
姉の恵里に、よく憎まれ口をたたきますが、いつも恵里のことを心配している姉思いの面が、高感度バッチリです。こんな弟が欲しいと思いながら見ていました。
恵里が上京して住むことになる「一風館」の住人達とのシーンも面白いですが、特に、国仲涼子、菅野美穂、余貴美子の掛け合いは、テンポがよく、楽しめます。
kiroroの主題歌「Best Friend」も、沖縄の景色も、ドラマをより引き立てていて、最高のドラマだと思います。