知床観光船「カズワン」が水深115メートルに沈んでいることがわかりました。
水深115メートルで作業をするのはとても厳しく、かなり訓練された飽和潜水士でなければできないそうです。
そんな厳しい作業をする飽和潜水士の年収はいくらなのか調べてみました。
飽和潜水士の給料は?
深水で作業を行う「飽和潜水」。
心身ともにかなりの負担を負う飽和潜水士の年収はいくらなのでしょうか。
飽和潜水士の年収は?
厚生労働省が行った令和2年賃金構造基本統計調査によると、平均年齢42.4歳における潜水士の平均年収は434万円と発表されています。
潜水すると手当があり、水深によって時給も変わるそうです。
自衛官は国家公務員ですので,国家公務員に支給される各種手当が支給されますが,自衛官独自の手当もあります。
引用:給料.com
飽和潜水の場合は、作業をしている時だけでなく、加圧されたあとは常に作業中とみなされる為、手当が跳ね上がるそう。
何回潜水したか、水深何メートルかなど、その状況によって収入は大きく変わるということですね。
海上自衛隊では他にも「乗組み手当」や「航海手当」などがあり、その手当で年間200万円ほどになるようです。
海難事故に詳しい東海大学海洋学部の山田吉彦教授が飽和潜水について説明していました。
「1度作業に入りますと、海底生活を1週間以上、数週間、続ける形になるので、体にも負担がかかる。始める前に十分に健康診断を行ってからじゃないと準備に入ることができない。非常に難しい潜水方法です」
引用:スポニチ
健康にも十分配慮しなければいけない過酷な仕事なんですね。
宇宙飛行士と同じような感じでしょうか。
飽和潜水員ヤバすぎわろた。これはリアルに寿命と給料を等価交換してますわ・・・
— しょうとくた (@syotokuta) October 5, 2013
月収が370万円になることも!
実際に飽和潜水員だったシズカさんのブログにはすごい月収が書かれていました!
私が頂いたひと月の俸給が約370万円です。ちなみに私は当時25歳で自衛隊入隊7年目の3等海曹なんのとりえもない所謂どこにでもいる普通の平隊員です。
月収が370万円!しかもシズカさん25歳、自衛隊入隊7年目の3等海曹の時だそう。
370万円の内訳は440mの高圧室で30日の飽和潜水に従事したことによる潜水手当が基本給に乗ったことにより計算された額とのこと。
30日間4畳半くらいの高圧室に男性6名が衣食住を共にしていたそうです。
これは毎月の月収ではないので、×12ヶ月ではないですが、一気に高額になるということは、それだけ危険な職務だということがわかります。
体力や忍耐力に自信のある方は高収入を得られる職種かもしれません。
ですが、飽和潜水員は狭き門とのことなので、運やタイミングも必要そうです。
飽和潜水士という資格はない
タイトルに飽和潜水士と書きましたが、実際には飽和潜水士という資格はないそうです。
狭い空間で水圧に体を慣らし深海で作業をするのが飽和潜水。
飽和潜水を行うのは潜水士で、飽和潜水員と言ったり、海上自衛隊では潜水艦救難ダイバーとも言われているそうです。
知床観光船「カズワン」の捜索は民間の飽和潜水士
2022年5月7日、作業船「新日丸」が知床の現場海域に到着しました。
海上保安庁が契約した「日本サルヴェージ」。
「日本サルヴェージ」は飽和潜水の技術を持っています。
そして「日本サルヴェージ」が業務委託した「深田サルベージ建設」による捜索が行われます。
第1管区海上保安本部などによりますと、現場海域に向かっているのは、海上保安庁が契約した「日本サルヴェージ」から業務委託を受けた会社が所有する「新日丸」で、2日夕方、鹿児島県の港を出港しました。
引用:NHK
「新日丸」の船体表記は「深田サルベージ建設」で、所有・管理は深田サルベージ建設の関連会社「オフショアエンジニアリング」がしています。
新日丸は7日午後3時前に網走港の埠頭(ふとう)に着岸。タラップがかかると、5、6人がスーツケースなどを持って乗り込んだ。網走市の担当者によると、食料や防寒具を積み、約2時間後に沈没現場へ向かった。
引用:朝日新聞DIGITAL
まず「新日丸」を母船としている水中カメラを搭載した無人潜水機ROV「はくよう」がカズワンの船体を調べるようです。
無人潜水機ROV「はくよう」による調査のあと、潜水士による飽和潜水が行われる予定だそう。
民間の飽和潜水をする潜水士も手当は大きいようです!
本音を言えば、給料とは別にもらえる“特別手当”もモチベーションのひとつです。まあ、そういうメリットがないとなかなか続けられません。それなりに身を危険にさらしているわけですから。
引用:GIZMODE
手当がモチベーションになりますよね。そうじゃないとできない仕事だと思います。
海外では半年潜って、半年はオフというフリーダイバーもいるようです。
Generally speaking, saturation divers can make up to $30,000 – $45,000 per month. Annually, this can add up to over $180,000. A unique salary addition for saturation divers is “depth pay,” which can pay out an additional $1- $4 per foot.
アメリカの潜水士になる為の学校のホームページには、飽和潜水は月に30,000~45,000ドル稼ぐと書いてありました!
水深何メートルかで手当ても変わるようで1フィートあたり1~4ドル追加されるそう。
年収にして180,000ドル、日本円にして2,300万円以上になることもあるようですよ!
ただし身体に受けるダメージも大きいようで、その対価ってこどでしょうね。
カズワンが沈んでいる水深約120メートルまで潜れる特殊な技法「飽和潜水」を実施する日本サルヴェージの別の船も出港準備を進めている。
引用:毎日新聞
飽和潜水による捜索が行われるのは5月中の見込み。
行方不明者が無事発見されることを祈ります。
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